こんばんは。鷹取智子(たかとりともこ)です。
『「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である』の著者が、ある組織にて2万人の社員に対して調査したところ、
・半数以上が今現在ストレスを感じ、自分への負担は重すぎると感じている
・40%以上が、人に対して礼儀正しくする暇がないと回答
・25%は上司が無礼だから自分も無礼な行動をとる
との結果が出たそうです。そして会社には人の接し方についてのガイドラインもないし、対応に対するトレーニング講座もないとのこと。
無礼な人って残念ながらどこの組織にもいらっしゃるように感じています。私もそのような人を目にする機会がありましたし、周りの人から無礼な人にストレスを感じている、とのお悩みも多く聞いてきました。
上記の調査にもあるように、無礼な人も本当はそうしたくてしている訳ではないのではないでしょうか。心に余裕があれば、相手を思いやり感じの良い態度で接したいけどそうできない自分にイライラしているのかもしれません。
もしくは自分が相手にどう接しているのか、客観視できていない人もいらっしゃるかもしれません。
以前、社内に入り込んで飲食店や調剤薬局の顧客満足向上のトレーニングに携わっていたときのことです。
「思いやりの心を持ちましょう」「同僚やお客さまに対して礼節ある態度で接しましょう」とただ一方的に伝えても、「そんなのわかっているけど忙しいし余裕がない!」と何度も現場のスタッフから拒否された経験があります・・・
そこで私は現場にできるだけ足を運び、スタッフから色々とヒアリングすることにしました。
そして時には一緒に店舗の外に立ってチラシを配りながら
・どのようなストレスや不満があるのか?
・どの業務を削れば時間ができるのか?
・職場の人間関係に満足しているのか?
など聞き出すようにしたのです。
すると最初は警戒していた人たちも、少しずつ心を開いてくれ本音を話してくれるようになりました。
また、できる範囲で無駄な業務を省いたり仕組みを変えたりしていきました。
そうするうちに段々と「どうしたら業務中、一瞬手をとめて顔を上げて目を見て笑顔で相手に対応できるのか」などと前向きに考えてくれる人が増えていったのです。
前向きな人が少しずつ増えていくと、職場の雰囲気が徐々に変わっていきました。
その時の経験からただやみくもに「●●しましょう」と伝えるだけではなく、まずは相手の不満やストレスについて話してもらうことが大事だな、と痛感しました。
そしてそれらを軽減したあとに、礼節の重要性を伝えていく方が相手の心に響くのだなと学ばせてもらったのです。
あなたの周りの無礼な人も、もしかしたら本当はそうしたくてしている訳ではないのかもしれませんね。